「私が姉歯(あねは)です」
思わず「ブハハハ」と吹いてしまった。
舞台の真ん中、座布団に正座して頭を上げた立川志の輔(しのすけ)さん、しょっぱなのそんな挨拶から始まった。本日は立川志の輔さんの新古典落語を聴く。
画像はこちらの
志の輔さんオフィシャルサイトより
志の輔さんと言えばNHKでもレギュラー番組の司会をしていて多少のなじみはあるのだが、私にとっては落語そのものが初めての体験だった。
志の輔さんは学校卒業後会社員などの経験もあり、29歳で立川談志さんに弟子入りしたとプロフィールにある。
確かに話の内容は一般社会人として暮らしてきた生活者としてバランス感覚に優れているという感じがある。日常生活やニュースのネタを見ていて心にくすぶっているふとした疑問や不満を適度に品良く滑稽な話にして聴かせてくれるといったところがある。
最初の演題は「みどりの窓口」。JRみどりの窓口で切符を売る係が主人公の話。そりゃ様々なことが起こるでしょうね。
次は「忠臣蔵」。忠臣蔵は志の輔さんが作るまで落語のネタにはなかった話らしい。
最後は「江戸の夢」。これはお笑いではなく聴かせる人情話です。これはねえ、ほとんど文学的ですらあります。そうか、こういうのも落語なんだと。確かにこれはテレビなんかじゃ絶対に流れないなと思えました。
大変面白かったです。志の輔さん、ありがとう!
次は、来年になりますが神戸で「米朝一門」の落語会に行きます。米朝さんはもう人間国宝ですよね。
ところで姉歯と言えば、建物の構造計算偽造です。いやあ、姉歯関連以外にも山ほどそんな物件があると思いますよ。たとえ構造計算に嘘がなかったとしても今度は建築そのものが信じられない。何を隠そう、今私が住んでいるこの家だって、柱が一本宙に浮いてて地面と接触してないんですよね。これはお風呂が水漏れしたときに床下に入ってもらった業者が発見したことなんですけど。どおりで、地震でもないのに風が吹いただけで家全体が揺れるもん。